溶ける自己

自己は過去の自己をもとに確立される不安定な内的世界である。ヤーコプ・フォン・ユクスキュルが提唱した環世界という論説は、あらゆる生物がたとえ同じ生態系のなかにいても、その環境から受け取る感覚情報は違うという単純かつ革新的な考え方であった。人間が持つ法則とは違う法則の中で世界を構築していることを理解すると、生物の感覚器官や身体の特徴からその世界観を想像するようになる。自分以外の生物の世界を想像する時、自己が持つ世界観から遠ざかり別の世界を目指している。本作品はその様子を表現したものである。

猪瀬 暖基

これまで制作した作品の紹介をしております。主に人形やメディアアートに関係した作品制作を行なっております。 twitter: https://twitter.com/NF4629 instagram: instagram.com/inshrk46

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